相続税申告は自分でできる?税理士なしのリスクと依頼すべきケース
公開日:2026-08-01 執筆:相続税理士ナビ編集部
相続税の申告は、税理士に頼まず自分で行うことも制度上は可能です。ただし、向いているケースとそうでないケースがはっきり分かれます。この記事では、その見極め方を整理します。
自分での申告が現実的なケース
次の条件がそろっている場合、自分での申告も選択肢になります。
- 財産が預貯金・上場株式が中心で、不動産がない(または評価が単純)
- 遺産総額が基礎控除をわずかに超える程度
- 相続人が少なく、遺産分割で揉めていない
- 平日に税務署や金融機関へ行く時間を確保できる
国税庁の「相続税の申告書等作成コーナー」や税務署への相談を活用すれば、シンプルな案件は自力でも進められます。
税理士への依頼を検討すべきケース
一方、次のいずれかに当てはまるなら、税理士への依頼を強くおすすめします。
1. 土地・建物がある
土地の相続税評価は、形状・接道状況・利用区分などによって減額できる余地があり、評価する人の経験で結果が変わりやすい分野です。減額要素に気づかず高い評価額のまま申告すると、その分税金を納め過ぎることになります(払い過ぎに気づいても、取り戻すには更正の請求という手続きが別途必要です)。
2. 特例を使いたい
小規模宅地等の特例(一定の要件で自宅土地の評価を大きく減額)や配偶者の税額軽減は、適用要件の判断が複雑で、適用の可否や組み合わせ方で税額が大きく変わります。しかも、これらの特例は申告をしないと使えません。
3. 非上場株式・事業用資産・海外資産がある
自社株の評価や事業承継がからむ案件は、専門性が特に高い分野です。
4. 申告期限(10ヶ月)が近い
資料集めと財産評価には時間がかかります。期限を過ぎると無申告加算税や延滞税の負担が生じ、特例が使えなくなる場合もあります。期限まで3ヶ月を切っているなら、急ぎ案件に対応できる税理士を探すべき段階です。
5. 税務調査が心配
相続税は税務調査の対象になりやすい税目といわれます。申告漏れを指摘されやすい名義預金や生前贈与の扱いなど、調査で見られやすいポイントを踏まえた申告書を作れるのは経験者の強みです。税理士が申告内容の確認書面を添付する書面添付制度に対応する事務所なら、さらに安心材料になります。
税理士に頼んだ場合の費用相場
相続税申告の税理士報酬は、一般に遺産総額の0.5%〜1.0%程度が目安とされます。
| 遺産総額 | 報酬の目安 |
|---|---|
| 5,000万円 | 25万〜50万円程度 |
| 1億円 | 50万〜100万円程度 |
土地の数や非上場株式の有無、申告期限までの余裕によって加算されるのが一般的です。「報酬を払っても、土地評価の減額や特例の適用で結果的に得だった」というケースも多いため、報酬額だけでなく提案内容を含めて比較しましょう。
迷ったら:無料相談で「自分でやる場合との差」を聞く
自分でやるか迷っている段階なら、まず無料の紹介サービスなどを使って税理士に相談し、「依頼した場合の費用」と「自分でやる場合のリスク」を比べてみるのがおすすめです。相談したうえで自分で申告する選択をしても、もちろん問題ありません。
当サイトの税理士必要度診断を使えば、1分で依頼すべき度合いの目安が分かります。
相続税の申告や対策は、相続に強い税理士への相談が近道です。
紹介・相談は無料。複数の税理士を比較してから決められます。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務助言ではありません。制度は改正されることがあります。実際の判断は税理士等の専門家にご確認ください。